知能ロボティクス研究室に
配属を希望する学生の皆さんへ

 この研究室は2008年4月に本学科に設置され,今までに,のべ90名の卒研生,16名の大学院生が卒業・修了し社会で活躍しています(→ 研究室卒業生の就職先一覧).彼らに対する私の指導方針は,計測制御のエンジニアとして必要な社会人基礎力をしっかりと身に付けて貰うことでした.3つの社会人基礎力([1] 考え抜く力,[2] 前に踏み出す力,[3] チームで働く力)を,以下の研究室活動を通じて学んでいきます.

 

[1] 考え抜く力・・・私が重要視している研究室活動の一つに「輪講」があります.これは1冊の専門書を,文字通り「輪」・・みんなで,「講」・・講義形式で教え合うことで,研究論文等を深く理解しながらスピーディに読む方法です.今まで皆さんは,小中高大学の教室で先生から講義を受けることが多かったと思いますが,輪講は皆さん自身が先生となり講義を行います.身をもって

人に説明できる = 理解した

 

という事実を感じて頂きます.大学受験や単位取得を丸暗記や一夜漬けで過ごしてきた人は,この輪講という研究室活動に新鮮さを感じ衝撃を受けると思います.この輪講をこなすことができれば,物事の理解能力,プレゼンテーション能力,ホワイトボードの使い方,説明資料の準備,予習段階で先輩に尋ねる,同級生と議論するといった研究活動に必要な能力を身に付けることができます.さらに大学院へ進学した人は,後輩に輪講の内容を教えることが,自らの能力を高めることに繋がります.この輪講は,3年生の仮配属直後から4年生の夏まで継続的に行われます.

 

 知能ロボティクス研究室の特徴を列挙すると,次のイラストになります: 

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[2] 一歩前に踏み出す力・・・ロボット制御の研究のためには,計算機に関する情報処理技術を身に付ける必要があります.そのために,仮配属直後の3年生には,パソコンの組み立てとセットアップ,人型ロボットの組み立て,タッチタイピングの練習を義務付けています.輪講を行いつつ先輩の研究テーマの話を聞いていく中で,研究テーマが決まっていきます.新しいことにどんどんチャレンジして下さい.

 上のイラストの3番: 本研究室のテーマは,人間のような賢く動くロボットを創ることです.ロボットの賢さとは何か?じっくりと考えることも研究の一つです.手先の器用な人は自らの手でロボットを開発することも出来ますし,数学の得意な人は制御工学をさらに学ぶことによって,より高度なロボット制御の手法を学び,現実のロボットに実装することが可能になります.人間の知能に大きく関わる感覚器官として「視覚」があります.これをコンピュータで実現する技術はコンピュータビジョンと呼ばれ,ロボットに搭載することでロボットの眼を創ることが出来ます.視覚情報に基づいて人型ロボットやロボットアームを制御する視覚フィードバック制御系の研究や,人間の視覚に密接に結びついている「物のみかけを制御」する研究など,多彩な研究テーマを用意しています.配属された学生の興味や能力に応じて,工作機械を利用したハードウェア寄りのものづくりの研究テーマ,情報処理技術に基づくソフトウェア的なものづくりの研究テーマ,企業との共同研究を通じた制御技術の産業応用を目的とした研究テーマに配属されます.

[3] チームで働く力・・・上のイラストの4番にあるように,知能ロボティクス研究室では恒例の年間行事が目白押しです.どれも楽しく研究室の先輩や同級生と密接にコミュニケーションをとることができます.研究室旅行は2泊3日で,毎年行き先は卒研生が決定します(→ 過去の研究室旅行の行き先一覧).仮配属生の歓迎会,忘年会,追い出しコンパ,ソフトボール大会が行われる他,年によってはそれ以外の宴会が開かれることも多々あります.

 過去の研究室のOBには,アメフト・サッカー・漕艇・アーチェリー・航空・拳法・アイスホッケーといった体育会に所属していた先輩がいます.皆,身体が丈夫なだけではなく,心も元気で頑丈な学生が多く,クラブ活動同様に研究室活動にも打ち込んでくれました.私はチームで働く力を育むことができるこのようなクラブ活動に打ち込んでいる人を応援します.同様に,私が担当教員をしている機械工学研究部とロボットプロジェクトの学生が数多く配属されています.それらの活動でハードウェア寄りだった人も,研究室では制御工学といったソフトウェアにハマった人もいたり,今までに身に付けたスキルにさらに制御工学の理論をプラスして,活躍してくれました.文化会に所属していた人も歓迎します.もし体育会にも文化会にもプロジェクトにも属していなかった人は,研究室がその代わりの場としてうってつけです.先輩の中には大学の3年間は全く課外活動をして来なかったけれど,卒研と大学院の3年間で大きく成長を遂げた学生が何人もおります.彼らは,学会発表や,学術論文を執筆する中で鍛えられ,視野を大きく拡げて現在では立派な社会人として働いています.

 最後に,もしやる気があってそれが可能な環境が整っているのならば,ぜひとも大学院への進学を考えてみて下さい.1年間の研究室活動だけでも,輪講・研究室ゼミ等で相当鍛えられることになりますが,大学院へ進学すればその期間は3倍になり,後輩の指導,学会発表,留学等を通じて,皆さんの能力は大幅にアップすることになります.この先の長い人生(50年間くらい?)をさらに実りある豊かなものにするために,二十歳過ぎの大事な3年間を,研究活動に費やして下さい.

 皆さんと共に研究および研究室活動ができることを楽しみにしています.

                    2017年8月末

       機械工学科 准教授  牛田 俊